10年弱企業の採用活動に伴走してきた経験を備忘録として記していきます。
募集出しているのに集まらない。やっと入社してくれたのに活躍しない、定着しない
といった悩みを持っている企業様のお役に立てればと思います。
そもそも求人募集に成功するためには以下3つのフローがかみ合っている必要があります。
①ターゲット設定→どんな人材を採用したいのか
②メッセージング→その人を採用するために最適な募集方法、求人原稿内容
③クロージング→選考フローの構築、内定までのプロセス設計
今回はターゲティングに絞って、自分なりの見解を示していきたいと思います。
【ターゲット設定とは】
当然ですが、お任せしたい業務内容に対して、候補者に求める経験・スキルを設定することを言います。一見簡単なように見えますが、これが一番難しい。突き詰めて正解はなく、時代によって移り変わる市場ニーズに合わせて柔軟に対応していく必要があります。
たとえば施工管理職をお任せしたいから、求人の必須スキルを施工管理経験者としていたとします。
でも施工管理といっても土木・建築・配管・造園など種類を上げればきりがありません。スカイツリーのサラカンの募集で造園施工管理の人まで募集しても活躍イメージってあんまわかないですよね。
また施工管理をおまかせしたいとはいっても資格は必要なくて、現場の安全管理や職人さんへの気配りをして、納期道理に終わらせてほしい、というだけだったら専門知識持った経験者を募集してもオーバースペックですよね。
求人を出す前にまずは以下のフローに沿って、私たちに一体どんな人材が必要なのか?を整理してから媒体へ発注しましょう(ちゃんとしたエージェントならしっかり整理してくれる)。
【よくある質問】
Q.1
とりあえずターゲットは未経験として、幅広く募集したら、いろんな人から応募来るんじゃない?
A.1
たしかにいろんな人から応募は来ますが、デメリットのほうが多いと思います。主に
①本当に欲しい人材からの応募は来ない
もしあなたが転職活動をするとき、下記の求人に募集したいと思いますかねぇ?
必須要件:元気に挨拶できる方だったらだれでもOK
年収:300万~1000万 経験に応じて給与を決定します。
私だったら、
①誰でもOKってことは、人手不足なのかな。
②自分のスキルや経験が生かせなさそう。
③多分年収は下限の300万になるんじゃないかな。だったらもっと年収高そうなほかの会社に応募しよ
って思っちゃいますかね。
②入社してもすぐにやめてしまう。期待した活躍ができない。
あなたが自社に必要な人材像を究極まで考え抜いていて、さらに選球眼まで身に着けていたら問題ないと思います。
私の実体験として、
・私はCLのことを高いレベルで理解しており、社長よりCLに詳しいという自負があった。
・だから誰を採用しても、適材適所に配置して活躍・定着させられる自信があった。
・採用時は私も面接に同席し、採用後は入社後フォローと教育体制の構築を行った。
上記までやって初めて未経験求人が成功するのかと、思います。
ちなみに私のCLへの理解レベルは、CLが銀行からは都合のいい客だと思われていて、取引先からは仙台からお世話になってきたけど社長が変わったことだしもっと安い業者に乗り換えようと思われていたり、社員は休日に土手から滑り落ちて膝に水が溜まっている、ということまで調べてます。
選球眼は履歴書1枚見ただけで活躍できるか、不正しないか、逃げ癖がないか、までわかります。
俺すげえだろって言いたいわけじゃなくて、組織課題と人材に10年向き合い続けたプロでやっとできるようになったって話で、もしそこまでの自信がなかったり、リスクを最小限に抑えたい場合はターゲット設定をしてから求人募集をしたほうが無難かという話です。
③PDCAが回せない。
闇雲に感覚で採用してしまうと、とりあえず採用して、活躍できなかったらクビにして、を繰り返して長期的に組織は大きくなりにくい企業が多い企業は
インセンティブ比率が高い体力のある大手企業であれば話は別ですが、多くの企業はちゃんと育てて、いずれは組織を背負って立つ人材になってほしいと思っているのではないかと思っています。そんな真っ当な企業様は、必要な人物像や判断基準を適宜修正するために、きちんと事前にターゲット設定を行うことをお勧めしています。
真っ当じゃない企業様(笑)はぜひコメントください!そういう企業で大量に人材を採用させたり、離職率を激減させるのが私の趣味です笑
Q.2
お任せしたい業務内容をこなせることが、入社時に求めるスキルです。
A.2
待って(笑)じゃあタイムカードの場所とか、社内で誰を敵に回しちゃいけないかとか、セロテープの場所まで知っている必要があるってことですか?w
っていうのは言い過ぎですが、同業界同職種で働いていた人でも最低限の育成は必要になるし、それすらできない、ってのは現場の課題が大きい。たぶん今働いている人たちも周りに相談しづらいだろうし、我流でやってトラブル発生して、その対応に追われるっていう負のループに入ってるかも。
多くの会社はそこまでではないと思うので、入社後に教えられることを箇条書きにしてみてください(経験上は小分類が300~400項目くらいになってます)。
【③業務に求められるスキル-教えられる部分】と引き算をすると、本当に採用時に必要なスキル・経験が見えてきます。
Q.3
むやみに未経験を採用するのが良くないのはわかるけど、なんでオーバースペックがNGなの?
A3.
めっちゃ綺麗ごというと、私の考えなんですが、市場価値に見合った賃金を払うのが企業の永続的な発展に不可欠だと思うんすよ。しょっぱい賃金のところはいずれ人が少なくなっていって潰れるから、そんな危ない企業に人材を紹介するのってめっちゃ怖いんすわ。
この前提でお話しすると、自社が解決したい課題、お任せしたい仕事に見合った賃金を企業は支払っているはず。ってことはオーバースペックの人材はそれ以上の賃金をもらっている可能性が高い。後々給与でもめたりするケースがとてつもなく多い。仮に現給与より低い年収でオーバースペックを採用したケースだと、こんなことがありました。
・横領により懲戒解雇。実は前職で下請けから賄賂をもらっていて、それが会社にばれた。会社に頼んで自己都合退職にしてもらっていた。(海外子会社の経理職)
・当人の入社によって組織コンディションは最悪に。退職者は出るし、顧客離れが進む。実は前職は当人を厄介者扱いしており、解雇はできないから雑用任せたり年下の上司をつけるなどを行っていた。(学習塾講師)
・謎の理由で退職。今までの職場ではお菓子食べながら仕事してたからよかったけど、今の職場は2時間ほど会議でお菓子をつまめない時がある。そのせいで3日で10キロやせた。(旧帝大理系院卒、研究開発職)
長くなってしまったため、次回は具体的なターゲット設定方法を書いていきます。あー。もっと仕事楽しくできないかな。
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